マリック・ベルカンヌより、JOC(日本オリンピック委員会)委員への手紙


                                                                      2006年9月22日
日本オリンピック委員会 御中


以下の謎かけに、どうぞお答えください。


問い:「私は誰でしょう?」

ヒント:

1)私はフランス語が大嫌いです。
2)私はフランスも大嫌いです。
3)私は人種差別主義者で、そのことを大々的に公言しています。
4)私は、唯一、日本だけが、文明と文化を手にした国であると考えます。
5)私は、日本的でないものすべてに対し、日頃から憎しみを表明しています。
6)なかんずく、朝鮮と中国に関することについて、とりわけ激しい憎悪を抱いております。私にとって、朝鮮や中国の人々は野蛮人の群れ以外の何ものでもありません。
7)私は、世界有数の大都市の長をつとめており、ぜひとも2016年のオリンピックを招致したいと考えております。


解 説:

1)私はフランス語が大嫌いです。

フランス語はオリンピックにおける第一の公用語です。

2)私はフランスも大嫌いです。

近代オリンピックの創始者は、ピエール・ド・クーベルタンという名のフランス人でした。以下にオリンピック憲章の一節を抜粋いたします。

「近代オリンピズムの生みの親はピエール・ド・クーベルタンであった。氏の提案にもとづいて、1894年6月、パリ国際アスレチック会議が開催された。国際オリンピック委員会(IOC)が発足したのは1894年6月23日であった。」

近代の第一回オリンピック(オリンピアード競技大会)は、1896年、ギリシアで開催されました。1914年、パリ・コングレスでピエール・ド・クーベルタン男爵が紹介した旗がオリンピックの旗として採用されました。五つの環が交わるデザインは、世界の五大陸を示すと同時に、全世界からオリンピックに参加する競技者たちの交友をも意味します。第一回冬季オリンピックは、1924年、フランスのシャモニーで開催されました。

3)私は人種差別主義者で、そのことを大々的に公言しています。

以下にオリンピック憲章の一節を抜粋いたします。

「人種、宗教、政治、性別、その他に基く、国もしくは個人に対する差別は、いかなるかたちの差別であっても、オリンピック・ムーブメントへの帰属とは相入れないものである。」

4)私は、唯一、日本だけが、文明と文化を手にした国であると考えます。

以下にオリンピック憲章の一節を抜粋いたします。

「オリンピズムは、肉体と意志と知性の資質を高揚させ、均衡のとれた全人のなかにこれを結合させることを目ざす人生哲学である。オリンピズムが求めるのは、文化や教育とスポーツを一体にし、努力のうちに見出されるよろこび、よい手本となる教育的価値、普遍的・基本的・倫理的諸原則の尊重などをもとにした生き方の創造である。」

5)私は、日本的でないものすべてに対し、日頃から憎しみを表明しています。

以下にオリンピック憲章の一節を抜粋いたします。

「オリンピック・ムーブメントの目的は、いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくることに貢献することにある。」

6)なかんずく、朝鮮と中国に関することについて、とりわけ激しい憎悪を抱いております。私にとって、朝鮮や中国の人々は野蛮人の群れ以外の何ものでもありません。

以下にオリンピック憲章の一節を抜粋いたします。

「オリンピズムの目標は、あらゆる場でスポーツを人間の調和のとれた発育に役立てることにある。またその目的は、人間の尊厳を保つことに重きを置く平和な社会の確立を奨励することにある。」


貴委員会による平生の国際貢献に敬意を表しつつ。

マリック・ベルカンヌ