フランス語は数を勘定できない言葉?国際語として失格している?
石原都知事、フランス語発言の撤回を求めます!
あなたもこの裁判にぜひ参加してください

【文学者でもある都知事のおどろくべき発言】
 2004年10月19日、東京都庁大会議室で開かれた首都大学東京をサポートする組織の設立総会の祝辞の中で、石原慎太郎東京都知事は、つぎのような発言をしました。

「フランス語は数を勘定できない言葉だから国際語として失格しているのも、むべなるかなという気がする。そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ。」(2004年10月20日「毎日新聞」)

 フランス語は数はちゃんと数えられる言語ですし(もちろん!)、全世界で約1億8000万人の人がフランス語を母語として使い、国際会議では英語と並んでフランス語が用いられています。
 石原都知事は、これまでも「三国人発言」や「ババア発言」などの心ない発言で、たくさんの人の名誉を傷つけてきましたが、今回も傷ついた人がたくさんいました。フランス語を母語にし、それに誇りを持っている人々、フランス語に魅せられ勉強している人々、フランス語のすばらしさを伝えるためそれを教えている人々、フランス語の研究や、この言葉によって書かれた文学などを研究している人々など・・・
 言語は、単なるコミュニケーション・ツールではなく、それを育んだ地域の文化に深く根ざし、人びとの人格形成に不可欠なものです。ある言語を否定することは、それを育んだ文化やその言葉を使う人びとを侮蔑することにほかなりません。
 あなたがもし日本人なら、この発言を「日本語」に置きかえてみてください。誰がどのように傷つき、強い怒りを感じるか、ご想像いただけるでしょう。なされるべきでない発言であることはすぐにお分かりになるでしょう。
 この不当な発言の撤回を求めて、石原都知事に裁判を起こすことになりました。

【石原発言の背景は】
 この発言は、2005年4月に新しく開校した「首都大学東京」をサポートする会員制クラブ「the Tokyo U-club」の設立総会でなされました。
 この首都大学東京は既存の4つの都立大学を統廃合したものですが、この構想自体に内外から批判が多く、都立大学の教員の間にも多くの反対の声がありました。そのなかに新大学では規模が縮小されるフランス文学の担当教員もいたことから「そういうものにしがみついている手合いが反対のための反対をしている。笑止千万だ」という発言になったようです。しかしその内容は、都立大学の関係者だけでなく、世界規模で、多数の人々の誇りを傷つけ、社会的な名誉を傷つけるものでした。

【裁判で「ノン」を突きつけよう!】
 何度も繰り返されるこんな石原都知事の傍若無人な言動を、不快に感じながらも「またか・・・」と、あきらめてしまっている人はいませんか?
 しかし彼は、自ら知事として国際都市東京、世界都市東京を標榜し、公人として大きな影響力を持つ立場です。しかも、文学者であるはず。その影響力と、この発言がもたらす「世界規模の被害」の大きさを考えると、またか・・・と放置しておくことはできません。石原都知事に、この発言が誤りであったことを、広く世間にわかる形で撤回してもらう必要があります。許されない暴言には、その都度、きちんと異議申し立てを行っていかなければなりません。


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