東京都知事いわく、「日本の文化は西洋文化よりも優れている」

ル・フィガロ(AFP共同)

2006421

木曜夕、カルチエ財団の一大展覧会開幕セレモニーの場で、石原慎太郎が現代美術を「無そのもの」と評する式辞を述べ、座を一気に白けさせるという一幕があった

日頃から高圧的、ないし出し抜けの物言いで知られる日本の首都の長は、その日、2000人近い来賓がつめかけたフロアにいっぺんに冷水を浴びせかけた。現代美術そのものと、今回、カルチエ財団が東京都現代美術館に展示することとなった作品の価値を真っ向から否定してみせたのである。彼は躊躇うこともなく現代美術を「無そのもの」と評し、「日本の文化は西洋文化よりも優れている」という主旨の発言を行った。

他方、東京都知事の挨拶を壇上で聞いていたカルチエ・グループの代表らは、自分たちがこれまで日本の作家たちにほどこしてきた芸術活動庇護の実績を淡々と振り返るにとどめた。金曜夕の時点で、カルチエ財団の指導部は本紙からの照会にまったく返答していない。カルチエ財団が莫大な資金を投入して実現に漕ぎ着けた、この他に例を見ない展覧会は、2006年4月22日から7月2日まで一般公開される。

フランス語、「数の勘定ができない言葉」

ナショナリズム思想の主として知られる右翼ポピュリストの東京都知事、石原慎太郎、73歳は、この種の論争をたびたび繰り返してきた。2004年10月には、東京都の新しい大学組織の設立総会の場で、フランス語が「数の勘定のできない言葉」であり、よって「それが国際語として失格しているのもむべなるかな」と発言。ベストセラーを世に送り出したこともある元・小説家、石原慎太郎は、1999年以来、東京都知事をつとめる。1989年には激烈な反米文書『コンプレックスなき日本』〔『ノーと言える日本』の仏訳タイトル〕をもって世界中に名を知らしめた。


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